御屠蘇

御屠蘇

お正月、おせち料理の前にまず頂きたいのが御屠蘇(おとそ)です。御屠蘇は平安の頃中国より渡ってきたといわれ、江戸時代に入るとおせち料理と並んで、一般庶民に広がりました。「屠蘇」とは「屠(ほふ)る」、「蘇」は「病気をもたらす鬼」で、邪気を払い無病長寿を祈るの意味があります。一年の健康を祈る儀式の酒です。

御屠蘇はおせち料理と一緒に召し上がるお酒のことではありません。屠蘇散は普通のお酒ではなく、漢方薬に使われる生薬が5〜10種類配合されています。白朮(ビャクジュツ)山椒(サンショウ)桔梗(キキョウ)防風(ボウフウ)肉桂(ニッケイ)などが代表的です。市販の屠蘇散(とそさん)屠蘇延命散は生薬をあわせたもので、便利に使うことができます。

御屠蘇を家庭で作るには大晦日の夜から、みりんを混ぜたお酒に屠蘇散を浸しておきます。7〜8時間で溶け出すので、袋を取り出していただきます。

おせち料理やお雑煮の前に御屠蘇を頂きます。

元旦の朝は、まず若水で身を浄め、初日の出、神棚、仏壇などを拝みます。家族全員で新年の挨拶をしましょう。そして御屠蘇を頂きます。三つ組杯の上の杯に、白銀や錫などのお銚子で注ぎます。杯をいただくのは年の若い人からです。若い人の精気を年長者があやかる意味があります(毒味の思想という説もあります)。家族全員で東の方角を向きます。そして三組杯の上部の杯からそれぞれ一杯づつ飲んでいきます。(小→中→大の順です)男性は左手、女性は右手で頂くのがしきたりです。

そして、「一人これを飲めば一家くるしみなく、一家これを飲めば一里病なし」と唱え、家族全員の一年の健康を祈るのです。